乳酸菌が酸っぱいのはなぜ?ヨーグルトの酸味の秘密を解説
乳酸菌は、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品に含まれており、独特な旨みがあります。
しかし、乳酸菌には酸味もあります。
このブログ記事では、乳酸菌が酸っぱい理由、ヨーグルトの酸味の秘密について解説します。
- 乳酸菌は酸味がある?
- 乳酸菌が酸っぱくなるメカニズムは?
- ヨーグルトが酸っぱいけどチーズは酸っぱくない?
今回の記事を読むことで、ヒトの身体を健康的に保ち、食べ物を美味しくしてくれる乳酸菌について、一緒に理解を深めましょう!
目次
乳酸菌は酸っぱい?なぜか?
乳酸菌は、糖を分解して乳酸を生成する細菌です。
この乳酸生成こそが、ヨーグルトなどの酸味を生み出すメカニズムです。
具体的には、乳酸菌は糖を分解する際に、以下の2つの段階を経ます。
- 糖をピルビン酸に変換する
- ピルビン酸を乳酸に変換する
この2つの段階のうち、特に2番目の段階で生成される乳酸が、酸味を生み出す原因となります。
ちなみに、乳酸菌の種類によって、生成する乳酸の種類や量が異なります。
ヨーグルトに使われる乳酸菌は酸味が強い
例えば、ヨーグルトに多く含まれるラクトバチルス属は乳酸を多く生成するため、ヨーグルトは酸っぱい味を感じやすいのです。
また、発酵温度や発酵時間などの条件によっても、乳酸の生成量が変化します。
発酵温度が高いほど、また、発酵時間が長いほど、乳酸菌の活動が活発になり、酸味の強い味わいになります。
もう少し言うと、牛乳の種類によって乳糖の含量が異なるため、ヨーグルトの酸味も異なるようです。
ヨーグルトは酸っぱいのに、チーズが酸っぱくないのはなぜ?
ヨーグルトとチーズは、どちらも乳酸菌によって発酵された乳製品です。
しかし、ヨーグルトは酸っぱいのに対し、チーズは酸っぱくないことが多いです。
これは、ヨーグルトとチーズの製造過程の違いによるものです。
- ヨーグルト:乳酸菌を牛乳に添加し、発酵させます。発酵が進むにつれて、乳酸菌が糖を分解して乳酸を生成するため、酸味が強くなります。
- チーズ:乳酸菌だけでなく、レンネットなどの凝乳酵素も添加して牛乳を固めます。固まった牛乳をホエイとカゼインに分離し、カゼインを圧縮してチーズを作ります。チーズの製造過程では、乳酸菌による酸味よりも、乳酸菌やレンネットによって分解されたタンパク質による旨味や風味が強調されます。
とはいえ、チーズの種類によっては、酸味のあるものもあります。
例えば、モッツァレラチーズやカッテージチーズは、比較的酸味が強いチーズです。
一方、ゴーダチーズやパルメザンチーズなどの熟成チーズは酸味が弱く、旨味や風味が強いのが特徴です。
以上のように、ヨーグルトとチーズは、製造過程の違いによって、酸味の強弱が異なっているのですね。
Q:乳酸菌は酸性ですか?
乳酸菌自体は酸性ではありません。
しかし、乳酸菌は糖を分解して乳酸を生成するため、乳酸菌を含む食品や環境は酸性になります。
乳酸菌は弱い酸性環境であれば生存できるため、酸っぱい食品でも生きることができます。
ところが、酸性が強くなってくると乳酸菌は死滅してしまうので取り扱いには注意が必要です。詳しくは「乳酸菌は酸に弱い?胃酸で死滅させない方法とその効果」の記事でも解説しています。
【まとめ】乳酸菌はなぜ酸っぱい?→乳酸を作り出すから
今回のブログ記事では、乳酸菌を含む食品が酸っぱい理由や、そのメカニズムについて解説してきました。
乳酸菌自体が酸性というわけではなく、乳酸を生成する段階で、酸味を生み出すのですね。
同じ乳酸菌食品として、ヨーグルトやチーズやキムチがありますが、原材料や発酵方法によって「酸味が強いもの」と「酸味が弱いもの」に分かれます。
乳酸菌への知識を深めつつ、上手に摂取して、いつまでも若々しい生活を送りましょう!