乳酸菌は酸に弱い?胃酸で死滅させない方法とその効果
乳酸菌は、腸内環境を整えるなどの健康効果が期待される微生物です。
しかし、乳酸菌は酸に弱いため、胃酸で死滅してしまう可能性があります。
そこで、このブログでは、乳酸菌が酸に弱い理由や、胃酸で死滅させない方法、乳酸菌の効果について解説します。
目次
乳酸菌は酸に弱い?
乳酸菌は、酸性環境では細胞膜が破壊され、死滅してしまうため、胃酸の強い胃の中では生存が困難です。
乳酸菌の細胞膜は、脂質とタンパク質で構成されています。酸性環境では、細胞膜の脂質が酸化され、タンパク質が変性することで、細胞膜が破壊されます。
乳酸菌の種類や耐酸性には差がありますが、一般的にはpH4.5以下の酸性環境では、多くの乳酸菌が死滅します。
ヒトの胃酸のpHは1~2程度
ヒトの胃酸のpHは、1~2程度です。これは、胃液の主成分である塩酸が、非常に強い酸性であるためです。
胃酸は、胃の中で食物を分解するために必要なものです。胃酸は、食物中のタンパク質を分解する酵素であるペプシンを活性化させる働きがあります。
この働きによって、乳酸菌が死んでしまうのです。
酸に耐性がある乳酸菌もある
しかし、一部の乳酸菌は、胃酸に強い性質を持っています。
例えば、Lactobacillus reuteri(ラクトバチルス・レウテリ)やLactobacillus plantarum(ラクトバチルス・プランタラム)などの乳酸菌は、pH2以下の酸性環境でも生存できると報告されています。
胃酸で死滅させない方法3つ
乳酸菌を胃酸で死滅させないためには、以下の方法があります。
①ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取する
ヨーグルトや乳酸菌飲料には、乳酸菌が大量に含まれています。
また、ヨーグルトには酸を中和する成分であるカルシウムが含まれているため、胃酸による乳酸菌の死滅を防ぐ効果が期待できます。
②サプリメントを摂取する
サプリメントには、胃酸に強い乳酸菌が配合されているものがあります。
また、カプセルタイプのサプリメントなどは、胃酸にさらされる時間が短いため、乳酸菌の死滅を防ぐ効果が期待できます。
③胃酸を中和するアルカリ成分を配合した乳酸菌を摂取する
乳酸菌と一緒に、胃酸を中和する成分を配合した食品を摂取すると、乳酸菌の死滅を防ぐ効果が期待できます。
例えば、乳酸菌入りのゼリーや、乳酸菌入りの飲料には、胃酸を中和する成分であるアルカリ分が含まれています。
乳酸菌は酸に弱いが、乳酸菌生産物質は酸に強い
乳酸菌は、腸内環境を整えるなどの健康効果が期待される微生物ですが、胃酸で死滅する可能性があります。そのため、乳酸菌を摂取する際には、胃酸で死滅しない方法を選ぶことが大切です。
その方法の1つとして、乳酸菌生産物質を摂取するという方法があります。
乳酸菌生産物質とは、乳酸菌が分泌する物質のことです。
乳酸菌は、発酵の過程で乳酸や酢酸などの短鎖脂肪酸やビタミン類を産生しますが、これらの乳酸菌生産物質は腸内環境を整える働きがあると言われています。
また乳酸菌生産物質は、乳酸菌と異なり、酸に強い性質を持っています。
そのため、胃酸で死滅する可能性が低いのです。
乳酸菌生産物質は、乳酸菌の弱点を補った、より効果的な健康食品として期待されています。
おわりに
乳酸菌は、さまざまな健康効果が期待される微生物ですが、酸に弱いため、胃酸で死滅してしまう可能性があります。
そこで、ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取したり、サプリメントを摂取したり、胃酸を中和する成分を配合した食品を摂取したりすることで、乳酸菌を効果的に摂取することができます。
また、乳酸菌生産物質を摂取することで、酸に弱いという弱点を補って、腸内環境の改善、免疫力アップ、美肌などの効果が期待できます。
参考になっていれば幸いです。