乳酸菌は何度で死ぬ?死滅温度を超えて加熱すると効果なし
乳酸菌は、私たちの健康にとって非常に重要な役割を果たし、免疫力の向上や腸内環境を改善する効果があります。
その働きを最大限に発揮するためには、「乳酸菌を生きたまま摂取すること」が重要となります。
しかし、一部の乳酸菌は高温に弱いため、調理方法によっては活性を失ってしまうことも…。
今回の記事では、乳酸菌が何度で死んでしまうのか…その耐熱性について詳説し、乳酸菌よりも即効性の高い「乳酸菌生産物質」についても解説します。
目次
乳酸菌とは?
乳酸菌とは、人間を始めとする動物の体内や植物、乳製品などに生息し、乳酸を作り出すことで知られる微生物です。
乳酸菌は粘膜表面に棲息し、腸内環境の調整・免疫力の向上・アレルギー予防に役立つなど、私たちの健康に大いに貢献しています。
乳酸菌は、ヨーグルト・チーズ・納豆・キムチなどの発酵食品に多く含まれています。
乳酸菌は熱に弱い?
乳酸菌は、高温環境に耐えられずに死滅してしまうことが多いです。
「納豆はアツアツの白米の上に乗せてはいけない」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、せっかくの善玉菌も、高温になると死んでしまい、その効果を失ってしまいます。
つまり、乳酸菌の活動を最大限に引き出すためには、その死滅温度を超えて加熱することは避けるべきです。
乳酸菌は何度で死ぬ?死滅温度を超えると効果ない
そんな乳酸菌ですが、何度で死んでしまうのでしょうか?(死滅温度と呼びます)
乳酸菌の死滅温度は、種類によって異なります。
一般的に、ビフィズス菌やラブレ菌などの善玉菌体温程度で最高の働きを見せ、50~60℃で死滅すると言われています。一方、ロイテリ菌は、70℃以上でも生存できると言われています。
その他、ラブレ菌は熱に強い乳酸菌として知られています。ラブレ菌は体内の高温環境だけでなく、60℃ - 70℃の加熱環境でも生存可能な耐熱性を持っています。
また、乳酸菌は、加熱の時間が長くなるほど、死滅しやすくなります。加熱する際には、短時間で済ませるようにしましょう。
※当然ながら、乳酸菌は生きているからこそ効果があるわけで、死滅温度を超えて死んでしまうと効果がありません…。
【注意点】乳酸菌を熱で死滅させてしまうメニュー
調理方法によっては、乳酸菌の働きを最大限に発揮することが難しくなる場合があります。
例えば、次のような料理方法は乳酸菌を失活させてしまう恐れがあるため注意が必要です。
- ヨーグルトを高温で加熱する料理:ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、一般的に60℃以上の温度で死滅する可能性があります。つまり、ヨーグルトを使ったカレーなどの料理で、ヨーグルトを長時間加熱すると、含まれている乳酸菌の多くは活性を失うでしょう。調理の最後、すこし冷めたタイミングで加えることで乳酸菌を活きたまま摂取することが可能です。
- 発酵食品の過度な加熱:納豆やキムチなどの発酵食品は豊富な乳酸菌を含んでいますが、これらを高温で長時間加熱すると、乳酸菌が死滅してしまいます。炒め物やスープに加える場合も、火を止めてから加えるか、加熱時間を最小限に抑えるようにしましょう。
このように、乳酸菌を多く含む食品は、温度管理に注意しながら調理することで、乳酸菌の活性を保つことが可能です。
乳酸菌は熱に弱いが、乳酸菌生産物質は熱に強い!
「乳酸菌は非常に優れた効果を持つ一方で、乳酸菌生産物質の方が一部の状況下で優れた働きを発揮する」という考え方が存在します。その理由は以下の通りです。
- 耐熱性と安定性:乳酸菌は生物であり、高温、酸性環境、酸素などの影響を受けやすく、これらの条件下では効果を発揮できない可能性があります。一方、乳酸菌が作り出す「乳酸菌生産物質」は、乳酸菌そのものと比べて耐熱性や安定性に富み、より幅広い条件で活躍できます。
- 腸まで届く確率:乳酸菌が胃酸や胆汁酸を通過して腸まで生きて到達するのは困難な場合があります。しかし、乳酸菌生産物質は胃酸などの影響を受けにくいため、確実に腸まで届く確率が高まります。
- 即時効果:乳酸菌が働き始めるには生息地である腸内に到達し、一定の数に増える時間が必要です。しかし乳酸菌生産物質は、摂取した瞬間から効果を発揮します。
したがって、素早く効率的に効果を得たい場合や、一部の乳酸菌が苦手とする高温や酸性環境での使用を考えるときなどは、乳酸菌生産物質の摂取がおすすめと言えます!
まとめ
今回のブログ記事では、乳酸菌の耐熱性「何度まで生きられて、何度くらいの加熱で死滅してしまうのか?」について解説してきました。
乳酸菌の持つ特性とその摂取方法を理解することで、健全な腸内環境維持や健康増進に役立てることができるでしょう。
乳酸菌を生きたまま上手に摂取するか、乳酸菌生産物質を取り入れるか…!?
いずれにしても、いつまでも美しく健康的でいたい人は、検討してみる価値があるでしょう!