日和見菌とは?簡単にわかりやすく解説!腸内での働きや善玉菌との関係も
腸内には、善玉菌・悪玉菌とともに「日和見菌」が存在します。
日和見菌は、健康にも不健康にも転じる「中立的な存在」です。腸内フローラのバランスが崩れると、日和見菌が健康に大きな悪影響を及ぼすこともあります。
- 日和見菌とは?どんな菌?
- 日和見菌の働きとは?
- 善玉菌や悪玉菌との関係は?
上記のような内容を、簡単にわかりやすく解説します。
腸内環境を整え、健やかな生活を送りたい方にとって、日和見菌の存在はぜひ理解しておきたいポイントです!
目次
日和見菌とは?簡単に解説!
日和見菌(ひよりみきん)について理解するために、腸内細菌の分類について簡単に紹介します。
腸内細菌は、以下の3つに分類されます。
腸内細菌の種類 | 特徴 | 代表的な菌 |
---|---|---|
善玉菌 | 健康をサポートし、腸内環境を整える | 乳酸菌、ビフィズス菌など |
悪玉菌 | 健康に悪影響を与え、毒素を生成する | ウェルシュ菌、大腸菌(病原性株)など |
日和見菌 | 中立的。環境次第で役割が変わる | 大腸菌(無害な株)、バクテロイデス属など |
上記の通り、日和見菌とは、腸内環境によってその働きが変わる中立的な菌のことです。「日和見」という言葉が持つ「状況を見て行動を変える」という意味から来ています。
健康な腸内環境では、善玉菌と協調して有益な働きをすることが多いですが、腸内のバランスが悪くなると悪玉菌のような作用をし、健康に悪影響を及ぼすこともあります。
つまり、環境や宿主の状態に応じて、その性質を変化させる微生物というわけです。
善玉菌、悪玉菌、日和見菌の割合は?
ちなみに、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の一般的な割合は以下のようになっています。
- 善玉菌: 約20%
- 悪玉菌: 約10%
- 日和見菌: 約70%
ただし、この割合は個人差が大きく、また年齢や健康状態、食生活などによっても変動します。
健康な状態では善玉菌が優勢で、悪玉菌や日和見菌が抑制されているのが理想的です。
腸内での日和見菌の働き・影響とは?
健康な状態では、日和見菌は腸内フローラの一部として他の細菌たちと共存しており、以下のような働き・影響を持っています。
- バランスの維持: 他の細菌との競合により、過剰増殖が抑制されています。
- 栄養素の分解: 一部の日和見菌は、食物繊維などの難消化性物質の分解を助けています。
- 免疫系の刺激: 適度な量の日和見菌は、免疫系を適切に刺激し、その機能を維持します。
- 有害菌の抑制: 腸内の空間や栄養を巡って競合することで、病原菌の増殖を間接的に抑制しています。
日和見菌のおかげで、腸内の生態系のバランスが保たれているのですね。
その一方、体調不良時や免疫力が低下した際には、日和見菌の性質が変化します。
- 急激な増殖: 免疫力の低下や抗生物質の使用により、他の細菌が減少すると、日和見菌が急激に増殖することがあります。
- 病原性の発現: 増殖した日和見菌が、毒素を産生したり、組織に侵入したりすることで、感染症を引き起こす可能性があります。
- 栄養素の競合: 過剰に増殖した日和見菌が、宿主(私たち)と栄養素を奪い合う状況が生じることがあります。
- 腸内環境の変化: pH値の変化や代謝産物の増加により、腸内環境が変化し、他の有益な細菌の生存を脅かすことがあります。
例えば、抗生物質を長期間使用した後に起こる偽膜性大腸炎は、クロストリジウム・ディフィシルという日和見菌が原因となることが知られています。抗生物質により他の細菌が減少した腸内で日和見菌が異常増殖し、炎症を引き起こしてしまうのです。
日和見菌と善玉菌の関係
腸内の善玉菌と日和見菌は、密接に関わり合いながら腸内環境を整える働きをしています。
善玉菌が増えると乳酸や酢酸といった物質を生成し、腸内環境は酸性に傾き、悪玉菌が活動しにくい状態になります。こうした環境下で日和見菌は、善玉菌を助けるような動きをするため、腸内において有益な影響をもたらします。
また、日和見菌の多くは、善玉菌が生成する物質を餌としています。そのため、善玉菌が多いほど日和見菌もその影響を受け、善玉菌に味方してくれるのです。
善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスが良好で、日和見菌が善玉菌と協調的に働くと、便通の改善や免疫力の向上など、身体の内側から健康をサポートしてくれます!
善玉菌に味方する日和見菌を増やす方法
日和見菌の働きを善玉菌に寄せるために役立つ生活習慣のポイントを3つ、紹介します。
1. 食物繊維や発酵食品を積極的に摂る
食物繊維や発酵食品は、善玉菌を増やすのに役立つ食品です。食物繊維は腸内で短鎖脂肪酸と呼ばれる物質に分解され、腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を抑えます。
また、ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品は、腸内に乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を供給するため、日和見菌が善玉菌と協調して働く環境づくりに役立ちます。さらに効果的かつ手軽に腸活をするなら、乳酸菌生産物質のサプリメントもおすすめです。
2. ストレスを軽減し、規則正しい生活を送る
ストレスや不規則な生活は、腸内環境を乱す大きな要因です。ストレスがたまると自律神経が乱れ、腸の働きにも悪影響が及びます。
腸内フローラのバランスを保つためには、適度な休息をとり、毎日のリズムを整えることが大切です。また、深呼吸や軽い運動、趣味の時間などを設けることで、リラックスしやすい環境を整えることも腸内環境に良い影響を与えます。
3. 加工食品や高脂肪な食品を控える
加工食品や脂肪分の多い食品は、悪玉菌のエサとなりやすいため、摂りすぎると腸内環境のバランスが崩れやすくなります。ファストフードやお菓子などの摂取を控え、バランスの良い食事を心がけることが、腸内環境を整える基本です。食生活を見直すことで、日和見菌のバランスも善玉菌寄りに傾きやすくなります。
【まとめ】日和見菌を味方につけよう
今回のブログ記事では、日和見菌について簡単に分かりやすく解説してきました。
日和見菌は、善玉菌とも悪玉菌とも異なる中立的な存在で、腸内環境の状態に応じて役割が変化します。腸内環境が整っているときには善玉菌と協力し、有益な働きをもたらしますが、腸内バランスが崩れると悪玉菌側に傾き、体調不良や免疫力の低下を引き起こすこともあります。
日和見菌を味方に付けるためには、善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えるような生活習慣を心がけることが大切です。食物繊維や発酵食品の積極的な摂取、ストレスを減らし規則正しい生活を送ること、加工食品を控えることが腸内環境を整える基本となります。
腸内フローラのバランスを保ち、健康的な生活を続けるために、日和見菌の存在やその役割を理解し、日々の生活に生かしてみてください。腸内環境が整うことで、健康と美容、さらには心の健康もサポートされるでしょう。